興行ビザのイメージ画像

興行ビザは演劇、演芸、音楽、スポーツ等の興業に係る活動や、その他の芸能活動をする外国人に与えられる在留資格です。

短期滞在(ノービザ)で入国して興行活動は禁止されています。

例えば、外国のミュージカルやサーカスなどで、外国人役者を招へいする場合や、コンサートの日本公演をする場合、またはプロスポーツ選手を招へいする場合等が当てはまります。

就労可能な職種

歌手、オーケストラなどの音楽家

コンサート・ライブ・イベント出演、クラブ・バーでの継続した活動、レコーディング、プロモーションビデオ撮影、テレビ番組出演、CM撮影などが該当します。

歌手や演奏家はジャンルを問いませんので、ロックバンド、アイドル、ポップ歌手、DJ、バイオリニスト、ジャズ演奏家なども該当します。

オーケストラの指揮者は、芸術家といえる場合であっても、公衆に聞かせ又は見せることを目的とすることから、在留資格は「芸術」ではなく「興行」になります。

ダンサー

コンサート・ライブ・イベント出演、プロモーションビデオ撮影、テレビ番組出演、CM撮影などが該当します。ダンサーはジャンルを問いませんので、フラダンス、バレエ、ヒップホップ、社交ダンス、サーカス出演なども該当します。

振付師、インストラクター

歌手やアイドルグループに同行する振付師やインストラクターも、「興行ビザ」に該当します。

俳優、女優

テレビ番組出演、CM撮影、映画撮影、プロモーション活動などが該当します。また、劇場やホール等での演劇やイベント出演も該当します。

タレント、モデル

スチール撮影、テレビ番組出演やCM撮影、ファッションショーやイベント出演などが該当します。

プロスポーツ選手、プロのトレーナー、コーチ、監督

プロ野球選手、Jリーグ選手、BJリーグ選手とその監督、コーチなどが該当します。報酬が発生しない国際大会などは【興行ビザ】に該当しない場合もあります。外国人スポーツ選手や、外国人スポーツ指導者を日本に招聘する場合、内容によってはビザの種類が変わってきます。

興行に係る活動

興行に係る活動には、出演者はもちろん興行に必要な活動を行う者(サーカスの動物飼育係員、スポーツ選手のトレーナーなど)の活動も該当します。

興行ビザ取得のポイント

興行ビザは、本人の要件と、招へい会社の要件、出演先の施設に関する要件、報酬にの要件の4方向で考える必要があります。

申請人の要件

細い基準はありますが、大きくは、外国人本人は2年以上外国での経験があること、もしくは外国の教育機関で活動に関連した科目を2年以上専攻していることが条件となります。

招へい会社の要件

招へい会社については、外国人興行の実務経験を3年以上有する経営者がいることや、5名以上の常勤職員がいることなどの条件があります。

招へい会社は、外国人芸能人が日本で適正な興行活動に従事できるように取り計らう立場にあり、外国人芸能人の管理能力が求められます。

この管理能力というのは、芸能人の能力資質を確認した上で、芸能人を招へいし、その入国後は、芸能人が適正な在留活動に従事し、その在留期間内に確実に出国するように、芸能人の講演状況等を把握し、指導監督することです。

いうまでもなく、外国人芸能人の身体的自由を制限する人権侵害行為とは全く異なります。

出演先施設について

出演先施設が興行を実施するものとして適当であると認められるためには、外国人芸能人による講演が十分に行われるための舞台装置等が完備されていることが必要です。

また公演に当たっての振り付け、衣装、証明等の担当があらかじめ決められているなど、演出的要素が必要です。その公演日程、講演内容も、客の入りによってその時々に決まるというものではなく、事前に明確に決められていることが必要です。

報酬について

外国芸能人にから徴収される宿泊費や食費等の予定金額は、別途明示しておく必要があります。一旦支払った報酬から食費が宿泊費を別に徴収するという場合でも徴収される予定金額を明示しなければなりません。

食費や宿泊費については社会通念に照らして妥当な金額内のものでなければななりません。食費等を差し引いた残余の金額が、契約上の報酬総額の1/2を下回る場合には、これら経費の根拠及び明細を示し、かつこのことについて、外国人芸能人が明確な形で了解していることを立証する必要があります。

外国人芸能人が芸能等の興業に関わる活動以外の興行に関わる活動に従事する場合は、日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けることが必要です。

申請書類の作成・準備

書類一式を作成・整備します。弊所では在留資格認定証明書交付申請書、招へい理由書、予算書、滞在日程表などの作成を代行します。

自社のケースではどうなるのだろうか?という場合は、面談時に下記の情報をご提示いただけますと、より具体的な相談・アドバイスが可能となります。

具体的な情報がありませんと、一般論での回答となってしまいます。

  • 招へい予定外国人タレントの略歴等の情報
  • イベント内容の情報
  • 開催場所の情報
  • 開催日時

短期滞在(ノービザ)で入国してからの興行活動は禁止されています。

外国人芸能人が興行ビザを取らずに入国しようとし空港で止められるという事態が頻発しています。短期滞在での入国は観光が目的となるため、イベント出演のためとみなされ入国できなくなれば直前にイベント中止となり関係者や来場者に多大な迷惑と損失を生むことになります。

また、仮に観光で入国できたとしても、興行活動をおこなっているということが入国管理局に発覚すれば、その外国人タレントは不法就労、招へい会社は不法就労助長罪に問われ罰則をうけることもあります。

興行活動に必要な要件

1.申請人が演劇、演芸、歌謡、舞踊、演奏の興行に係る活動に従事する場合(2に規定する場合を除く)

【申請人の基準】

①申請人が演劇、演芸、歌謡、舞踊、演奏の興行に係る活動に従事する場合であること

②次のいずれか(報酬が1日につき500万円以上の場合を除く)

  • ・外国の教育機関において当該興行の活動に係る科目を2年以上の期間専攻したこと
  • 2年以上の外国における当該興行の経験を有すること

③日本の招へい会社との契約であること

【招へい会社の基準】

主として、外国の民族料理店と契約をして月額20万円以上の報酬を受けて外国の民族音楽に係る活動に従事する場合は、招へい会社との契約は不要です。

①招へい会社が次のすべてに該当し、申請人と月額20万円以上の報酬を支払う義務を負うことが明示されている興行契約をすること

  • 外国人の興行に係る業務について通算3年以上の経験を有する経営者又は管理者がいること
  • 5名以上の常勤職員を雇用していること
  • 経営者又は常勤の職員が次のいずれにも該当しないこと
    1. 人身取引等を行い、助けた者
    2. 過去5年間に、外国人の不法就労を助け、あっせんした者
    3. 過去5年間に、外国人が不正に許可を取るために文書や図画を偽造したり助けたりした者
    4. 売春防止法などの罪により刑に処せられ、その執行を終わり、または執行を受けることがなくなった日から5年を経過していない者
    5. 暴力団員又は暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者
  • 過去3年間に締結した興行契約を締結した外国人に対して報酬を全額支払っていること

招へい会社は、外国人芸能人が日本において適正な興行活動に従事できるように取り計らう立場にあり、外国人芸能人を管理する能力が求められます。

外国人芸能人を管理するとは、その能力や資質を確認した上で招へいし、入国後は、外国人芸能人がきちんと活動をし、確実に出国するように、公演状況などを把握・指導監督することです。

【出演施設の基準】

次のいずれにも該当すること

①不特定多数の客を対象として外国人の興行を行う施設であること。

バー、キャバレー等の施設を設けて、客に遊興、飲食をさせる営業を営む施設である場合は次のいずれにも該当していること

  • 専ら客の接待(スナック、バー等の施設を設けて、客に飲食させる接待を言う)に従事する従業員が5名以上いること
  • 興行に係る活動に従事する、興行の在留資格を持って在留する者が、客の接待に従事するおそれがないと認められること

③13㎡以上の舞台があること

④9㎡以上(5名以下)の出演者用の控室があること

5名を超える場合、9㎡に1名あたり1.6㎡を加えた面積が必要です

⑤出演施設の従業員数が5名以上

⑥出演施設の経営者又は常勤の従業員が次のいずれにも該当しないこと

  • 人身取引等を行い、助けた者
  • 過去5年間に、外国人の不法就労を助け、あっせんした者
  • 過去5年間に、外国人が不正に許可を取るために文書や図画を偽造したり助けたりした者
  • 売春防止法などの罪により刑に処せられ、その執行を終わり、または執行を受けることがなくなった日から5年を経過していない者
  • 暴力団員又は暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者

出演施設が興行を実施するものとして適当と認められるためには、外国人芸能人による公演が十分に行われ得るための舞台装置などが完備されていることが必要です。

又、振り付け、衣装、照明などの担当者があらかじめ決められていること、公演日程・公演内容も事前に定められていることが必要です。

②の「バー、キャバレー等の施設を設けて、客に遊興、飲食をさせる営業を営む施設」とは、営業許可を受けているか否かではなく、実際に客に風営法上の接待(歓楽的雰囲気を醸し出す方法で客をもてなす接待)をして客に飲食などをさせる営業を日常的に営んでいるものであるか否かで判断されます。

スナック、バー等の施設を設けて、客に飲食させる接待に従事する従業員」とは、フロアレディ、ホステス、ホストをいい、キャッシャー、ウェイター、ウェイトレスその他雑用係として従事する者は含みません。

個々の従業員は常勤である必要はありませんが、出演先施設が直接雇用する者である必要があります。

5名以上いることとは、常時5名以上勤務していることを求めるものではなく、客の入店状況により、自宅等に待機している者がいる場合でも、従業員として5名以上が確保されていれば問題いありません。

④の「出演者用の控室」とは、ロッカー、鏡、椅子などの備品を備え、出演者が更衣、休息をするのにふさわしい機能を有することが必要です。

控室は公演する場所と同一の建物内で、外部の者の目にとまることなく舞台との間を移動できる場所にあるのが原則ですが、5名を超える(9㎡以上の控室)場合は近接する建物に追加して設けても大丈夫です。

複数の部屋を控室として使用する場合は、これらの部屋の合計面積が控室の面積となり、各部屋が控室として、ロッカー、鏡、いす等の備品を備え、休息の機能を果たす広さを有し、外部の者の目に触れることなく舞台に移動できる必要があります。

食費や宿泊費、その他外国人の個人的な日常生活に要する費用はどうするかという問題がありますが、報酬から「天引き」する場合には、労働基準法に抵触しないよう、雇用契約で具体的に天引きされる費用を明示しなければなりません。

「天引き」ではなく、いったん支払った報酬から、別途徴収する場合は、徴収される予定の金額うぃ明示する必要があります。

天引き後の金額が報酬額の1/2を下回った場合は、根拠や明細を示し、かつ外国人が明確な形で了解していることを立証する必要があります。

2 申請人が演劇等の興行活動に従事する場合

次のいずれかに該当すること

①以下の機関が主催する演劇などの興行

  • 日本国
  • 日本の地方公共団体の機関
  • 日本の法律により直接に設立された法人
  • 日本の特別の法律により設立された法人
  • 学校教育法に規定する学校・専修学校若しくは各種学校

②日本と外国との文化交流に資する目的で国、地方公共団体または独立行政法人の資金援助を受けて設立された日本の会社が主催する演劇などの興行

③外国の情景または文化を主題として、観光客を招致するために、外国人による演劇、歌謡、舞踊または演奏の興行を常時行っている、敷地面積10万㎡以上の施設において行われる興行

④客席で飲食物を有償で提供せず、かつ客の接待をしない施設(非営利の日本の会社が運営する施設、又は客席定員が100名以上の施設)において行われる演劇等の興行

⑤興行により得られる報酬の額が1日につき50万円以上であり、かつ15日を超えない期間、日本に在留して行われる演劇等の興行

3 申請人が演劇等以外の興行活動に従事する場合

日本人が従事する場合に受ける情報と同等以上の報酬を受けて従事すること

スポーツの興行やファッションショー等に係る活動に従事する場合です。

4 申請人が興行活動以外の芸能活動に従事する場合

①次のいずれかに該当すること(複数該当しても良い)

  • 商品又は事業の宣伝に係る活動
  • 放送番組(有線放送を含む)又は映画の製作に係る活動
  • 商業用写真の撮影に係る活動
  • 商業用のレコード、ビデオテープその他の記録媒体に録音又は録画を行う活動

②日本人が従事する場合に受ける報酬と同等以上の報酬を受けること

興行活動に必要な提出書類

演劇等の興行活動で必要な提出書類

申請人に関する書類
  1. 在留資格認定証明書交付申請書 1通
  2. 写真(縦4㎝×横3㎝)1枚
    申請前3か月以内に正面から撮影された無帽、無背景で鮮明なもの。
    よくあるのが、パスポートと同じ写真を申請書に貼ってしまうことです。
    3か月以上前に発行されたパスポートと同じ写真を使うことは当然認められません。
  3. 返信用封筒(定型封筒に宛先を明記の上、392円の切手を貼付)1通
  4. 申請人の経歴書及び活動に係る経歴を証する文書
    HP(公式ホームページ、通販サイト)、CD、DVDなどのこれまでの活動の実績など
  5. 申請人の日本での具体的な活動の内容、期間、地位及び報酬を証する文書
    雇用契約書又は出演承諾書等の写し若しくはこれに準ずる文書の写しを提出、専属契約書を提出する場合もあります。
招へい会社に関する資料
  1. 登記事項証明書
  2. 直近の決算書(損益計算書、貸借対照表など)
  3. その他招へい会社の概要を明らかにする資料(パンフレット等)
  4. 興行契約に基づく興行活動に関する次に資料
    1. 従業員名簿(来日にかかわるセクションのみでかまいません)
    2. 人心取引、外国人の不法就労、不正な許可取得、売春防止法違反、暴力団員でないことの申立書
    3. 過去3年以内の興行契約の報酬支払に係る契約書の写し、振込記録、会計帳簿の写し

初めて外国人を招へいする場合は、イベント全体の予算書を提出します。

興行を行う施設の概要を明らかにする資料
  1. 営業許可証の写し
  2. 施設の図面(間取りなどが記載されているもの)
  3. 施設の写真(客席、控室、外観など)

コンサートなどの場合は、イベント当日の設営予定図面を貼付します。

ホームページに客席配置図、定員などが書かれたページがあればそれをプリントアウトし提出します。

上記資料には、興行契約書のほか、契約機関と出演施設を運営する機関との出演に関する契約書等も含みます。

招へい会社が当該興行を請け負っている際は、請負契約書の写しを、また、興行場法施設を利用する場合には使用承諾書等の写しを提出います。

出演施設を運営する会社に関する資料
  1. 登記事項証明書
  2. 直近の決算書(損益計算書、貸借対照表など)
  3. その他、施設運営会社の概要を明らかにする資料(パンフレット等)
  4. 従業員名簿(来日にかかわるセクションのみでかまいません)
  5. 人心取引、外国人の不法就労、不正な許可取得、売春防止法違反、暴力団員でないことの申立書
その他参考となる資料

滞在日程表(全員分・滞在ホテル情報含む)、興行日程表、興行内容を知らせる広告、チラシ等、チラシ等がまだラフでも公演情報が明確に入っていれば構いません。

演劇等の興行活動以外の興行活動を行う場合の提出書類

経歴書及び活動に関わる経歴を証する文書

招へい会社の概要を明らかにする次の資料

  • 登記事項証明書
  • 直近の決算書(損益計算書、貸借対照表など)
  • 従業員名簿(来日にかかわるセクションのみでかまいません)

興行施設の概要を明らかにする資料

  • 営業許可証の写し
  • 施設の図面
  • 施設の写真
  • 従業員名簿(来日にかかわるセクションのみでかまいません)
  • 登記事項証明書
  • 直近の決算書(損益計算書、貸借対照表など)

招へい会社の請負契約書の写し

日本での具体的な活動の内容期間中及び報酬を証する文書で次のいずれかのもの

  • 雇用契約書の写し
  • 出演承諾書の写し
  • これに準ずる文書

その他参考となる資料(滞在日程表、公演日程表、講演内容を知らせる広告・チラシ)

興行の形態で行われない芸能活動を行う場合の提出書類

芸能活動上の実績を証する資料、所属機関が発行する資格証明書又は経歴証明書、 CD ジャケット、ポスター、雑誌、新聞の切り抜き等で、芸能活動上の実績を証するもの

申請人の日本での具体的な活動の内容機関士及び報酬を証する文書で次のいずれかのもの

  • 雇用契約書の写し
  • 出演承諾書の写し
  • これに準ずる文書

受入機関の概要を明らかにする次の資料

  • 登記事項証明書
  • 直近の決算書(損益計算書、貸借対照表など)
  • 従業員名簿(来日にかかわるセクションのみでかまいません)
  • 案内書(パンフレット等)
  • これに準ずる文書(適時)

その他参考となる資料(滞在日程表、公演日程表、講演内容を知らせる広告・チラシ)