親呼び寄せのイメージ画像

入管法にある家族滞在の在留ビザでは、親を対象とした在留資格について規定されてなく、原則として、同居して扶養することを目的とした、外国人の親の在留を認めていません。

しかし、特定の条件を満たした場合、特別活動の在留ビザ等で、親を呼べる可能性があります。

親を呼び寄せることが許可された場合でも、申請者に親を扶養するだけの十分な資力があることが求められます。

告示された特別活動での親呼び寄せ

特定活動の告示で外国人の親を呼び寄せる場合は、以下のケースで認められています。

告示された特別活動なので、在留資格認定証明書交付申請により、外国から直接親を呼ぶことが出来ます。

高度専門職外国人及びその配偶者の親を呼び寄せる場合

高度専門職外国人とその配偶者が。以下の条件を満たす場合は、母国から親を呼び寄せることが出来ます。

  1. 高度の専門的知識を必要とする特定分野の研究を行う者か、情報処理に係る業務に従事する者の、同居し、かつ、その扶養を受ける、配偶者と子及び親か、配偶者の親を呼び寄せる場合

高度の専門的知識とは、平成二十五年法務省告示第四百三十七号の試験に合格したか、これらの技術・知識に関連する大学を卒業したか、専修学校の専門課程を修了したか、10年以上の実務経験を有する必要があります。
また、その活動する機関は、外国人の技術、知識を活用するために必要な施設で、十分な管理体制が整ってる必要があります。

  1. 高度専門職外国人の受ける報酬の年額と、その配偶者が受ける報酬の年額を合計した世帯報酬の額が800万円以上の場合で、かつ、7歳未満の子を養育し、妊娠中の配偶者に対する介助、家事、その他の必要な支援をするために親を呼び寄せる場合

7歳未満の子供養育のため親を呼び寄せる場合は、呼び寄せに必要な条件を満たさなくなった場合、親の在留期間の更新が認められませんので、特に以下の点に注意する必要があります。

  • 世帯報酬の合計額が800万円に満たなくなった場合は、親の在留期間の更新は認められなくなります
  • 高度専門職外国人の配偶者の親を呼び寄せた場合に、 同居していることが条件なので、別居した場合は在留期間の更新が認められなくなります。
  • 養育する子供の年齢が7歳に達した場合は、在留期間の更新は認められません。

医療滞在ビザで親を呼び寄せる場合

母国の親を日本の先端的な医療で治療したい場合に、親とその日常的な世話をする近親者を呼び寄せる場合は、医療滞在ビザで呼び寄せることが出来ます。

治療が続く間、親の面倒を日本で見たい場合は、医療滞在ビザでの呼び寄せを検討してみるのもいいかと思います。

但し、親の治療は、医療費が高額となる可能性がありますので、医療費が賄えるだけの所得や資産が、呼び寄せる申請者にあることが必要となります。

  1. 日本に相当期間滞在して病院又は診療所に入院し、病院、障害について医療を受ける活動と、入院の前後に疾病、障害について継続して医療を受ける活動
  2. 病院又は診療所に入院した患者の日常生活上の世話をする活動で、収入を伴う事業を運営する活動と、報酬を受ける活動を除くもの

告示外の特別活動での親呼び寄せ

告示外の特定活動で親を呼び寄せる場合は、以下の条件をクリアしている必要があります。

告示外の特別許可は、法務大臣が個別の案件ごとにに許可する、例外的な申請となりますので、条件を満たして申請したとしても、申請が許可される保証はありません。

呼び寄せる場合は、一旦、短期滞在90日で親呼び寄せ、在留資格変更許可申請により、在留資格を特別活動に変える手順をとります。

  1. 親の年齢が65歳以上で、一人暮らしであること(面倒をみれる配偶者がいない)
  2. 親が病弱であること
  3. 他に親を扶養したり、身辺を世話する、兄妹姉妹や近親者がいないこと
  4. 親の面倒を見ることができるのは、日本にいる申請者の子供だけであること
  5. 申請者が、親を看護するのに十分な金銭的資力を有していること

その他、可能性の高い親を呼び寄せる手段

他にも、以下の場合は親を呼び寄せることが出来ます。

  1. 短期滞在ビザで90日間 日本に呼び寄せる
  2. 親が経営管理ビザ等の在留資格を取り、自ら取得した在留資格で日本に滞在する
  3. 外国人の母国が、韓国、台湾、香港等の特定の国に住んでいる場合に、告示特定活動ビザで、1年を超えない範囲で、日本の観光、保養等のために親を呼び寄せる

まとめ

親の呼び寄せは、入管法上の正規の在留資格にはありません。

親を呼び寄せることが可能なのは、高度専門職外国人及びその配偶者、医療滞在ビザがあります。

告示外の特別活動ビザで、母国にいる親の面倒を見る親族がいない場合で、かつ、親を扶養するのに十分な資力を持っている場合は、例外的に告示外の特別活動ビザが許可される可能性はあります。

その他に親を日本に呼び寄せる方法としては、短期滞在ビザや親が自ら日本での在留資格を取得した場合や、特定国に居住する親の場合に認められる観光、保養のための特別活動ビザ委があります。