技能の就労ビザは、日本の経済社会や産業の発展に寄与するという観点から、日本人では代替できない産業上の特殊な分野に属する熟練した技能を有する外国人を受け入れるために設けられました。
産業分野とは、外国に特有な産業分野、日本の水準よりも外国の技能のレベルが高い産業分野、日本で従事する技能者が少数しか存在しない産業分野のことを言います。
熟練した技能を要するとは、個人が自己の経験の集積によって有することとなった熟練の域にある技能のことを意味します。熟練に該当する活動は特別な技能判断を必要としない機械的な作業である単純労働とは区別されます。
技術・人文知識・国際業務で必要とされる能力は、学術上の所要等の条件を含めて論理を実際に応用して処理する能力ですが、技能は一定事項について主として個人が自己の経験の出席によって言うしている能力のことを指します。
目次
必要となる要件
10年以上の実務経験があること
10年の実務経験には、教育機関で勉強していた期間を合算して計算できます。
10年以上の実務経験という基準は、1~2月息しても不許可になります。性格20年以上経験していることが必要であると考えてください。
2.日本人と同等額以上の報酬を受けること
日本人と同等以上の給与水準であることが求められる理由は外国人に対する不当な差別を禁止するということです。
同じ会社で同じ仕事をしているのであれば、日本人社員と同じくらいの給料を支給する必要があります。
技能が許可される産業上の特殊な分野
産業分野は、外国に特有な産業分野(1~3)、日本の水準よりも外国の技能のレベルが高い産業分野(4~5、8~9)、日本で従事する技能者が少数しか存在しない産業分野(6~7)に区分されます。
1.調理師
中国料理、フランス料理、インド料理等の調理師や点心、パン、デザート等の食品を製造する調理師やパティシエ等がこれに該当します。
実務経験については、 10年以上の経験を有することを要し、外国の教育機関において、当該料理の調理や食品の製造に関わる科目を専攻して教育を受けた期間を含みます。
タイ人調理師については、タイ労働省が発行する初級以上の証明書と、5年以上の実務経験を証する文書、タイ料理人として妥当な報酬を受けていたことを証する文書を添付することにより、実務経験年数が5年に短縮されます。
2.建築技術者
外国に特有の建築又は土木に関わる技能とは、例えばゴシック、ロマネスク、バロック方式または中国式、韓国式などの建築土木に関する技能で、枠組壁工法や輸入石材による直接貼り付け工法なども含まれます。
次のいずれにも該当することが必要となります
外国人技能者の受け入れ目的が単に建築作業に従事させるためというのではなく、日本人技術者に対する指導及び技術移転を含むことが明確になっていること
住宅建設に必要な資材の主たる輸入相手国の国籍を有する者又は当該国の永住資格を有するものであること
受入企業において輸入住宅の建設に関わる具体的計画が明示されており、 必要な滞在期間があらかじめ申告されていること
外国人技能者が従事する分野としてスーパーバイザー、フレーマー、ドライウコーラー、フィニッシュ・カーペンターのいずれかに属するものであって、日本人技能者でも作業が容易であるような工程に携わるものではないこと。
3.外国特有製品の製造・修理
ヨーロッパ特有のガラス製品、ペルシャ絨毯など、日本にはない製品の製造又は修理に関わる技能を言います。
シューフィッターについては解剖学、外科学等の知識を用いて外反母趾等の疾病の予防矯正効果のある靴のデザインを考え、製作していく作業に従事する者もこれに含まれます。
4.宝石・貴金属・毛皮加工
宝石および毛皮については、宝石や毛皮を用いて製品を作る過程のみならず、原石や動物から宝石や怪我を作る過程を含みます。
5.動物の調教
動物の状況については特定の国では教育期間中も状況に従事することが通常であることがありこのような場合は実務経験として含めることができます。
6.石油・地熱等掘削調査
地熱開発のための掘削とは、生産井及び還元井の掘削をする作業を言います。
7.航空機操縦士
市長が副操縦士として業務に従事できる技能証明を保持するものであっても、250時間以上の飛行経歴を有しないものには許可されません。
パイロットの場合で、日本から報酬が支払われず、海外のパイロット派遣会社から支給されるものであっても、日本の公私の機関との契約があればこれに該当します。
なお、航空機関士としての業務は技術・人文知識・国際業務の在留資格に回答します。
8.スポーツ指導者
スポーツには運動競技と、身体運動であって心身の健全な発展を図るためにされるスポーツの2つを含みます。
スポーツ指導に関わる技能は3年以上の実務経験が必要です。
対象となるのはアマチュアスポーツの指導に限りませんが、野球サッカーなどチームで必要とするプロスポーツの監督コーチ等でチームと一体として出場しプロスポーツの選手に随伴して入国し在留する活動については興行の在留資格に該当します。
気功指導については、肉体鍛錬としておこなう場合、生涯スポーツの概念に含まれ、技能の在留資格に該当しますが、病気治療としての気功治療はスポーツの指導には当たりません。
9.ワイン鑑定等
5年以上の実務経験を有し、さらに国際的な協議会で優秀な成績を収めたことがあるか、国際ソムリエコンクールに出場したことがあるか、 ワイン関係に関わる技能に関して法務大臣が告示で定める者のいずれかであることが要件となります。
ソムリエはワインに関わる幅広い業務を行うため、契約する会社がこれらの飲食関連事業を行っているかが重要となります。さらに飲食店舗にあっては、ソムリエ以外に食器洗い、給仕、会計等の専従の従業員が確保されている必要があります。
その他考慮すべき点
新規開店
新規開店したばかりの店舗も外国人調理師を海外から招へいすることは可能です。
ただ開店したばかりで、実績がない状態ですから、損益計算書を含めた事業計画書の作成が必要となります。
オープンしたばかりでも技能ビザの許可はおりる可能性はありますので、最初からあきらめないで申請してみましょう。
何名まで呼べるかは、お店の規模、客席数、売上、事業計画によって異なります。
招へいしたい人数の調理師を、雇用する必要性が、提出資料で証明できれば問題ありません。
お店の新規オープン前でも技能ビザの申請は可能ですが、飲食店営業許可は取得済みであることが、申請にあたっての最低条件となります。
領事館のビザ不許可
外国人調理師を海外から招へいする場合、外国人調理師の採用が決まり書類を準備して、日本の入国管理局へ在留資格認定証明書交付申請をし、無事許可になったと仮定します。
そして認定証明書を現地へ輸送し、本人が現地の日本領事館へ、ビザの発給申請をすることになります。
しかしまれに日本領事館で不許可となるケースがあります。残念ながら拒否の理由は一切公表しないため対応できません。
おそらく現地での審査の過程で現地でしかわからない理由が判明したためと考えられます。
そして領事館で拒否された場合は日本の入国管理局へ再申請しても、許可されることはありません。
技能ビザの申請にあたっては、他の就労ビザ申請に比べて領事館での不許可の件数が比較的多くなります。